課題解決コラム

Problem Solving Column

2026/09/14

マーケティングオートメーションとは?基本機能と営業の温度差を解消して見込み客を商談へ導く実践術

マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーション(MA)とは、見込み客の関心に合わせて最適な情報を届け、商談の機会を自動で生み出す仕組みです。単なるメールの一斉配信とは異なり、個人の勘に頼る属人的な営業から抜け出し、組織全体の成果を底上げする運用基盤として機能します。初めて担当に任命された方へ向け、SFAやCRMとの違いから、現場の反発を防ぐ導入手順まで基礎知識を整理しました。専門知識ゼロからでも自社に合う運用体制を描けます。

[ 目次 ]

初心者向けマーケティングオートメーションとは?基礎知識をわかりやすく解説

デジタル化が急速に進む昨今、営業活動の効率化は多くの企業が直面する大きな課題に。解決策として注目を集める仕組みがマーケティングオートメーションです。
初めて担当に任命され、概要をわかりやすく知りたいと考える方へ向け、MAの基礎知識から導入手順の初期段階までを紐解きます。まずは全体像をしっかりと把握しておきましょう。

マーケティングオートメーション本来の意味。MAが解決する企業の課題

MAを単なるメールの自動送信システムだと誤解しているケースをよく見かけます。しかし、本質を見誤ったまま導入を進めると、せっかくの投資が実を結びません。まずはシステムが持つ本来の目的と、多くの組織が抱える営業面の悩みをどう解消していくのか、根幹となる仕組みをしっかりと把握しておきましょう。

MAは、顧客の反応に合わせて商談機会を作る仕組み

単なるメール配信ツールとの決定的な違い

顧客へ一斉に案内を送るメール配信ツールをすでに活用している企業も多いはずです。
MAもメールを送る機能を持ちますが、役割はまったく異なります。最大の違いは、見込み客一人ひとりの興味や関心に合わせて、最適な情報を最適なタイミングで届ける点にあります。

Webサイトを閲覧した履歴や資料請求の履歴をデータとして蓄積し、相手の行動に合わせてアプローチする環境を整えてくれるのです。「とりあえず全員に同じ案内を送る」のではなく、相手の反応を確かめながら対話を進めるための運用基盤として機能します。

属人的な営業スタイルからの脱却と成果の底上げ

これまでの営業スタイルは、担当者個人の力量や勘によって成績が大きく左右されていました。「誰に、いつ、どの商品を提案すべきか」というノウハウが個人の頭の中に留まり、組織全体で共有されない状態は、企業にとって大きなリスクを伴います。

MAを活用すれば、こうした属人化から抜け出せます。システムが顧客の関心度を客観的に測り、連絡すべきベストなタイミングを教えてくれるため、手動による連絡漏れを防ぎます。限られた人員でも効率的に見込み客との関係性を深め、誰もが一定の品質で顧客へ価値を提供できる仕組みを作り上げるのです。

マーケティングオートメーション(MA):顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化し、自動化するシステムや概念。
属人化:特定の業務の手順や進捗状況を、担当している本人のみしか把握していない状態。

顧客管理を成功に導くMAとSFAやCRMが担う役割の違い

顧客情報を管理するシステムを探す際、MAと一緒にSFAやCRMの名前を頻繁に目にしませんか。実はそれぞれ得意とする領域がまったく異なります。
自社の課題に合わないツールを導入して失敗しないためにも、まずは各システムがカバーする守備範囲の違いを正確に把握しておきましょう。

システム主な役割対象となる顧客解決する主な課題
MA見込み客の獲得と育成まだ商談に至っていない見込み客有望な見込み客を営業へ渡せない
SFA商談から受注までの進捗管理商談中の見込み客営業担当者の行動や案件の進捗が見えない
CRM既存顧客との関係維持と向上すでに取引がある既存顧客リピート率が上がらない、解約が多い
MA・SFA・CRMの役割分担と連携イメージ図

MAの役割(見込み客の育成から商談機会の創出まで)

マーケティングオートメーション(MA)は、まだ商談に至っていない見込み客を育て、商談の機会を生み出すまでを担当します。
展示会やWebサイト経由で連絡先を獲得した後、最適なタイミングで興味を引き上げる情報を発信。有望な見込み客を見つけ出し、スムーズに営業担当者へ引き渡す役割を担います。

SFAの役割(商談の進捗管理と営業活動の可視化)

MAから引き継いだ見込み客に対し、実際の商談から受注に至るまでの進捗を管理するシステムがSFAです。
営業担当者がいつ訪問し、どんな提案を実践したかを細かく記録し、案件の状況を可視化。ブラックボックス化しやすい営業活動の悩みを解消し、組織全体で売上目標を達成する仕組みを整えます。

CRMの役割(既存顧客との関係維持とリピート促進)

見事受注を獲得した後、長期的な信頼関係を築きリピート購入へ繋げるためにCRMを活用します。
既存顧客の購買履歴や日々の問い合わせ内容を記録し、満足度を高める施策を展開。解約を防ぎ、優良な顧客との良好な関係を長く保つために欠かせないシステムです。

SFA(Sales Force Automation):営業支援システム。商談の進捗や営業担当者の活動履歴を管理・可視化するツール。
CRM(Customer Relationship Management):顧客関係管理システム。既存顧客の購買履歴や問い合わせ内容を記録し、長期的な関係構築を支援するツール。

見込み客を商談へ導く!マーケティングオートメーションツールの使い方と選び方

デジタルマーケティングの施策が多様化する中、マーケティングオートメーションツールとは具体的にどう動き、営業プロセスへ組み込まれるのでしょうか。単なる顧客リストの保管場所として終わらせないためには、実際の使い方や活用例を正しくイメージしておく必要があります。
デジタルマーケティング全体の戦略とMAツールの役割の違いも整理しつつ、見込み客と出会ってから商談の席につくまでの具体的な流れを追っていきましょう。自社の事業に合う機能を正しく見極める準備をおこなうために必見です。

顧客を育成し商談を生み出すマーケティングオートメーションの仕組み

手当たり次第に電話をかけても、相手の関心が低ければ門前払いを受け、営業担当者が疲弊するだけ。MAを活用し、相手の興味が高まった最適なタイミングを逃さずアプローチする体制を整えなくてはなりません。
名刺交換やWebサイトでの接点から始まり、確度の高い商談を営業へ引き継ぐまでの3つのステップを確認しておきましょう。

見込み客を商談へ導くMAの3ステップ

第一段階【獲得】Webサイトや展示会で接点を作る

まずは自社の商品やサービスに興味を持ってくれる相手を見つける段階です。
展示会で交換した名刺情報や、Webサイトに設置したお問い合わせフォームから入力された連絡先などを、すべてデジタルデータとしてシステムへ集約します。いつ、どこで、誰と接点を持ったのかを正確に記録し、今後のアプローチへ向けた大切な資産を築いていきます。

第二段階【育成】行動に合わせて最適なメールを配信する

連絡先を獲得しても、すぐに商談へ進むケースは稀です。まだ検討段階の相手に対し、役立つノウハウ記事やセミナーの案内などを定期的に届け、少しずつ購買意欲を高めていきます。一斉に同じ案内を送るのではなく、相手が自社のページを閲覧した行動履歴などに合わせ、一番関心を持ってもらえそうな情報を自動でメール配信する仕組みこそがMAの真骨頂です。

第三段階【抽出】スコアリングで見込み度の高い相手を見つけ出す

相手の購買意欲が十分に高まったタイミングを見計らい、営業担当者へ引き継ぐ段階です。メールを開封したら「1点」、料金ページを閲覧したら「3点」など、顧客の行動を数値化して評価する機能をスコアリングといいます。合計点数が一定の基準を超えた『今すぐ客』だけを自動で抽出し、通知を受け取った営業担当者がすぐさまアプローチを開始します。
無駄な架電を減らし、効率よく商談を進めるのに必要な機能です。

リードジェネレーション(見込み客の獲得):展示会やWebフォームなどを通じて、将来の顧客となる連絡先を集める活動。
リードナーチャリング(顧客の育成):見込み客に対して有益な情報を提供し続け、自社製品への関心や購買意欲を徐々に高めていく手法。
リードクオリフィケーション(見込み客の抽出):育成した顧客の中から、特に購買意欲が高く営業をかけるべき相手を選別するプロセス。
スコアリング(行動の数値化):メールの開封やサイトの閲覧履歴など、顧客の行動を点数化し、興味の度合いを客観的に測る機能です。

デジタルマーケティングを支えるツールの機能と失敗しない選び方

幅広い施策の中で、MAは中核となる役割を担うシステム。市場には多種多様な製品が存在し、それぞれ備わっている機能も少しずつ異なります。
自社のビジネスモデルや解決したい悩みに合わない製品を選ぶと、現場で運用が回らず大きなトラブルに発展するリスクもゼロではありません。検討を始める前に、代表的な機能と製品を見極める基準を押さえておきましょう。

顧客の行動を追跡し自動でアプローチを重ねる基本機能

代表的なMAツールには、顧客のWebサイト閲覧履歴などを追跡する機能や、複雑な条件分岐を設定してメールを自動送信する機能が搭載されています。あらかじめ用意したシナリオに沿って相手の関心を惹きつけ、営業担当者が動くべきタイミングを逃さずキャッチ。
ただ、豊富な機能をどう活かすかは、自社が法人向け(BtoB)か個人向け(BtoC)かによって大きく変わってきます。

法人向けと個人向けで異なるシステムの選定基準

単価が高く検討期間が長い法人向けビジネスでは、営業担当者へのスムーズな引き継ぎが何より大切。企業単位での行動履歴を管理しやすく、営業支援システム(SFA)との連携に強い製品を選ぶのが基本路線です。
一方、個人向けビジネスの場合は、一度に数万人規模の消費者へアプローチする大量配信機能や、LINEをはじめとするSNS連携に優れた製品が適しています。それぞれの違いを図解で確認してみてください。

比較項目法人向け(BtoB)ツールの特徴個人向け(BtoC)ツールの特徴
主な目的長期的な検討期間に伴走し、営業へ商談を引き継ぐ大量の顧客へスピーディにアプローチし、即時購入を促す
得意な機能企業情報の管理、営業支援システム(SFA)との連携LINEやSNS連携、大量のメールの一斉配信
ターゲット層決裁者が複数いる企業担当者個人の消費者
BtoB向けとBtoC向けのMAツールの違い

自社の営業プロセスに馴染む最適な製品を見極める

自社の顧客が誰であり、普段どんな営業プロセスを描いて受注に結びつけているのか。機能の多さやトレンドだけで判断せず、まずは足元の業務フローを振り返ってみてください。
システムを導入して終わりではなく、現場の実務メンバーが無理なく使いこなせるかどうかを念頭に置き、自社の事業形態に一番馴染む製品を見つけ出しましょう。

シナリオ機能:顧客の行動(メール開封やクリックなど)をきっかけとして、あらかじめ設定した条件に沿って次の案内を自動で実行する仕組み。
BtoB(Business to Business):企業が企業に向けて商品やサービスを提供するビジネスモデル。
BtoC(Business to Consumer):企業が一般の個人消費者に向けて商品やサービスを提供するビジネスモデル。

現場でMAツールが放置される理由とは…?運用が乗らない本当の原因

なぜ多額の費用をかけて導入したシステムが使われなくなるのでしょうか。機能不足や担当者のITスキル不足を理由に挙げる声も聞かれます。
しかし実際は、現場で働くメンバーが抱える心理的な摩擦や、企業ごとの文化に根本的な原因が潜んでいます。マーケティング部門と営業部門が対立し、運用が定着しない背景を紐解いていきましょう。

MAが放置される原因は、機能ではなく組織内のズレ

新システム導入時に営業部門が抱く「どうせ無理だ」の心理

経営陣が業務効率化を掲げて新しいツールを導入する際、現場は必ずしも歓迎していません。過去の苦い経験から、冷めた視線を向けている場合がほとんどです。理想を描くトップと日々の業務に追われる実務メンバーの間に生じる摩擦は、システムの形骸化を招く最初の壁として立ちはだかります。

新しいシステムの説明会を開いても、営業部門の担当者は「結局自分たちの入力作業が増えるだけだ」と内心で不満を募らせます。過去に別のツールを導入して失敗した経験を持つ組織ほど顕著に表れる、諦めの感情。
「どうせ今回も使えずに終わる」と冷めた視線を送り、初期設定の段階から非協力的な態度をとる場面も珍しくありません。
経営陣と現場の温度差、すなわち組織内の“コンディション”が悪化したまま計画を推し進めれば、誰もシステムへログインしなくなる事態を招きます。

コンディション:組織の理想と現実のギャップや、現場で働く従業員同士の間に生じる心理的な摩擦・状態。

社内の独自文化を無視した標準フローの強要による混乱

システムを導入しさえすれば業務を自動化できると思い込むのはとても危険です。
どの企業にも、長年の歴史の中で培われた独自の文化や暗黙のルールが存在します。現場の実態を無視してシステム側の標準フローを強引に当てはめようとすれば、かえって現場の混乱を招き、誰も望まない結果に至るケースもあるのです。

パッケージ化された機能は確かに優れていますが、自社の業務フローへそのまま合致するとは限りません。長年親しまれてきたアナログな来店台帳や、手動で関数を組んだExcelの管理表をいきなり廃止すれば、現場の激しい反発に直面します。
新しいシステムへの入力に手間取り、業務が回らなくなると、実務メンバーは混乱を避けるために裏でこっそり元のExcelを使い始めるケースも。組織に根付いた文化を理解せずに仕組みだけを押し付けても、運用は決して定着しないのです。

顧客データの定義がずれたまま進む複雑なシナリオ設計の罠

システム単体の機能に頼りすぎると、誰も実態を把握できない複雑なシナリオを生み出してしまいます。とくにマーケティング部門と営業部門の間で評価基準が統一されていない状態での設定は非常に危険。実務からかけ離れた通知ばかりが飛び交い、結果的に誰もシステムをメンテナンスできなくなります。

MAの目玉機能である自動配信やスコアリングも、基盤となるデータの定義が曖昧なままでは機能しません。マーケティング側が「有望な見込み客」と判断して営業へリストを渡しても、営業側は「まだ検討段階で商談にならない」と突き返す対立が各地で起きています。
両部門で顧客データの評価基準が分断したまま複雑な条件分岐を設定しても、見当違いなタイミングでメールが送信されるだけ。結果として相手からクレームを受けたり、営業担当者がシステムからの通知を無視し始めたりする悪循環に陥ってしまうのです。

シナリオ設計:顧客の特定の行動(Webページの訪問やメールの開封など)に合わせて、システムが次にどんなアプローチを自動で行うか、条件分岐や手順を設定する作業。

現場の反発を防ぐ!マーケティングオートメーションの運用を軌道に乗せる手順

新しいシステムを導入しても、現場の実務メンバーが使ってくれなければ意味がありません。スムーズに社内へ浸透させるためには、いきなり機能の設定を始めるのではなく、マーケティングオートメーションの要件定義から丁寧に進める必要があります。
マーケティングシステムを既存のツールとつなぐAPI連携の活用も含め、現場の負担を減らしながら運用を定着させる具体的なポイントを確認しておきましょう。

強引な導入を避けて現場の納得感を引き出す要件定義

経営陣が業務効率化を急ぐあまり、現場の状況を無視してシステムを押し付ける進め方は、必ず強い反発を招く要因に。ツールを組織へ定着させるには、実務を担うメンバーと対話を重ね、新しい体制に対する納得感が必要です。
他部門との連携も視野に入れつつ、強引な進行を避ける慎重な調整のポイントを確認しておきましょう。

要件定義は、機能を決める前に現場との認識を揃える

現場の“コンディション”を見極め摩擦を減らす

どんなに優れた機能を備えたシステムでも、実務を担うメンバーが求めていない場合は強引に進めない判断が求められます。システムを実装する前の要件定義の段階で、組織内の人間関係や、現場の心理状態である“コンディション”を見極める作業を優先してください。
経営陣が描く理想と現場の現実の間に生じる摩擦を最小限に抑えるため、時にはあえて遠回りをして着実に議論を重ねる泥臭い調整も有効な手段です。

独自の企業文化を尊重し双方が納得できる着地点を探る

ツールを導入しただけで業務の悩みがすべて解消する魔法は存在しません。どの企業にも、長年の歴史で培われた独自のルールや文化が根付いているからです。
現場の担当者が新しいシステムに何を期待し、同時にどんな不安を抱いているのか。実務メンバーの思いを丁寧にすくい上げ、会社側と現場の双方が納得できる着地点を見つける対話からスタートする手順を踏んでみてください。

要件定義:システムを開発・導入する際、どのような機能や性能が必要か、現場の要望を整理して明確に定める初期の工程。

専門知識の差を埋め認識のズレを防ぐ図解コミュニケーション

ITツールに不慣れな営業担当者へ新しい顧客管理の仕組みを説明する際、言葉だけでは伝わりきらない場面が多々あります。認識がずれたまま進めると、後になって大きなトラブルにも。情報を一元管理するメリットを誰もが正確に理解できるよう、視覚的に伝える対話の工夫例をご紹介しましょう。

頭の中のイメージを統一するフロー図の活用

専門的な機能やデータの流れを説明する場面では、口頭でのやり取りを避けます。参加者それぞれの頭の中にある完成イメージは少しずつ異なっているため、必ず資料に図解や業務フローを添えて議論を進めてください。誰がどのタイミングでシステムへ入力し、データがどう動くのか。目に見える形で手順を整理し、作業の抜け漏れをなくしていくのです。

「できる事実」と「質」を切り分けて伝える

新しいツールを導入する際、機能の良さをアピールするだけでは現場の信頼は得られません。あらかじめ社内の文化や経営陣の要望を把握し、リスクや費用、スケジュールを隠さず伝える準備をしておきます。
特に、「システムで対応できる範囲と、対応できない範囲」、そして「対応はするが手作業が残る」といった処理の段階を分けて説明してください。

API連携で分断されたデータを統合するシンプルな仕組み作り

部署ごとに異なるツールを使っていると、顧客の情報が分断され、手作業でデータを移し替える無駄な手間が発生します。マーケティング部門と営業部門がそれぞれ独自の帳票を作り、別々に数字を追っていては、正確な効果測定は望めません。営業支援システムとMAをつなぎ、データを自動で統合するシンプルな仕組み作りの要点を解説します。

CSVによる手動更新の限界と現場で起きる混乱

新しいシステムを入れた直後、とりあえずCSVファイルを手動で出力し、別のシステムへ取り込む運用で乗り切ろうとするケースをよく見かけます。しかし、人の手を介する作業は必ず入力ミスや更新のタイムラグを引き起こします。
マーケティング部門がリストを更新したのに、営業部門が見ている画面には古い情報が表示されたまま。結果として営業担当者がすでに断られた相手へ再度電話をかけてしまうなど、現場の混乱を招くのです。情報を移し替えるだけのアナログな作業は、担当者の時間を奪う大きな要因となります。

APIを用いてMAと営業システムを直接つなぎ同期する

手作業をなくし、部門間の情報を常に最新の状態に保つ技術がAPIです。
たとえば世界中で使われている営業支援システム『Salesforce』とMAをAPIで直接つなぐ設定を施します。これにより、マーケティング側で獲得した新しい見込み客の情報やメールの開封履歴が、瞬時に営業側の画面へ反映されます。

API(Application Programming Interface):異なるソフトウェアやプログラム同士をつなぎ、データや機能を連携させるための仕組み。
Salesforce(セールスフォース):世界的に高いシェアを持つ顧客管理(CRM)および営業支援(SFA)プラットフォーム。

連携手法特徴現場へのメリット
手動連携
(CSV等)
人の手で定期的にデータを抽出して別のシステムへ取り込む導入ハードルは低いが、入力ミスやタイムラグが発生しやすい
API連携システム同士を直接つなぎ、データをリアルタイムに同期させる入力作業がなくなり、常に最新の顧客情報を全員で共有できる
APIを活用したシステム間のデータ連携イメージ図

AIの活用とデータ統合から見直す。デジタルマーケティングの組織作り

テクノロジーの進化や法規制の変化に伴い、デジタルマーケティングを取り巻く環境は絶えず変化しています。これまでの主流だった手法が通用しなくなる転換期を迎えており、企業には新たな環境へ適応する柔軟な組織作りが求められているのです。
次世代の営業活動を支えるため、経営層や事業責任者が知っておくべき最新のトレンドと、システム運用で押さえておきたいトレンドを確認しましょう。

生成AIの活用によるコンテンツ作成とスコアリングの高度化

あらゆるビジネス領域でAIの実用化が進む中、マーケティングの現場も例外ではありません。手作業で設定していた細かな条件分岐や分析をAIが肩代わりし、高い精度で顧客の心理を読み解く仕組みへ移行しています。最新のMAに搭載された自動化の機能と、実務面での進化を知っておきましょう。

生成AIで、メール作成と購買意欲の予測を高度化

見込み客に響くメール文面を自動で作成

見込み客一人ひとりに響くメール文面を白紙から考える作業は、担当者にとって重い負担でした。現在では、生成AIが過去の購買データや閲覧履歴を読み込み、顧客の興味に合わせた件名や本文の案を自動で作成してくれます。
人間が一つひとつ文章を考える手間を減らしつつ、相手の反応を引き出しやすい高品質な案内を素早く届けられるようになりました。

顧客の行動を学習し隠れた購買意欲を予測

顧客の関心度を測るスコアリングの精度も飛躍的に向上しました。人間が設定した固定の点数だけでなく、AIが過去の成約パターンから商談へ結びつく行動を学習し、隠れた購買意欲を的確に予測します。
作業の省力化だけでなく、商談を生み出す精度を高める手段としてAIの機能が活躍しているのです。

生成AI(Generative AI):過去のデータを学習し、テキストや画像などの新しいコンテンツを自律的に作り出す人工知能。

外部データに頼らない新しい集客戦略と自社運用のメリット

世界中で個人情報保護の機運が高まり、インターネット上での行動追跡に対する規制が厳しさを増しています。従来の広告手法が制限される中、外部のデータに頼らない新しい集客戦略への転換が急務です。
企業が直接取得する情報の価値がかつてなく高まっている背景と、自社でデータを管理する意義を解説します。

従来の広告手法が通用しなくなる理由

顧客が別々のWebサイトをどう移動したか、裏側で追跡する仕組みへの規制が世界的に厳格化。外部の広告媒体に頼ってターゲットを絞り込む集客は、かつてほどの効果を見込めなくなりました。他社のプラットフォームに依存したマーケティングから抜け出し、独自のアプローチの模索が急務である時期を迎えています。

企業が直接集めた情報を安全な資産に変える

そこで脚光を浴びているのが、顧客から直接同意を得て取得する情報です。
展示会で交換した名刺や、自社サイトのお問い合わせフォームに入力された連絡先。自分たちで地道に集めたデータこそが、誰にも奪われない確実で安全な資産として再び重視されているのです。
大切な情報を守りながら、相手の興味に合わせて適切な案内を届けるために、MAツールはより重要になってきます。

ファーストパーティデータ:企業が自社の顧客やWebサイト訪問者から直接収集した情報(購買履歴やサイト閲覧データなど)。
サードパーティクッキー(Third-Party Cookie):訪問したWebサイト以外の第三者が発行し、ユーザーの行動を追跡するために使われるデータ。

SaaS乱立の課題を解決するシステムアーキテクチャの再構築

現場の業務を楽にしようと部署ごとにクラウドサービスを入れた結果、社内のあちこちにシステムが散らばり、かえって現場が疲弊するという悩みをよく耳にします。
データが孤立したままでは、経営陣が全体の数字を素早く把握できません。システム全体を整理し、無駄なく連携させるために、なにが必要なのでしょうか。

部署ごとの個別導入が行き詰まる理由

マーケティング部門、営業部門、カスタマーサポートが、それぞれ自分たちの使いやすいシステムを選んで導入すると、顧客のデータが各部署に閉じこもってしまいます。結局、担当者がCSVファイルを手動で出力してExcelでつなぎ合わせるような余計な手間が増え、入力ミスや古い情報での営業活動といったトラブルを引き起こしてしまうのです。

APIでつないで手作業と部署間の壁をなくす

これからの組織作りでは、バラバラに動いているツールをAPIで直接つなぎ、手動でデータを移し替える作業をなくす構成を考えます。
部署の壁を取り払い、一つの統合されたデータ基盤を通じて顧客の動きを全員で確認できる状態を整えて、無駄のない営業活動と正確な効果測定を進めて行きます。

SaaS(Software as a Service):インターネット経由で利用できるクラウド型のソフトウェアサービス。

比較項目従来のサイロ型アーキテクチャ次世代の統合型アーキテクチャ
データの状態部門ごとのSaaSにデータが孤立(死蔵)API連携により全社でデータを一元管理
現場の作業ExcelやCSVを用いた手動での集計・連携手作業を廃止し、リアルタイムに情報を同期
組織の動き部署間で評価基準がズレやすく対立が生じる統一された指標で収益プロセス全体を管理
SaaS乱立時代におけるシステム構造の変化

費用対効果を高めるには?マーケティングオートメーションの運用代行

新しい仕組みを社内に定着させるには、システムの設定以上に、現場の不安や反発を解きほぐす泥臭い調整が壁に…。
運用の停滞から抜け出し、現場の負担を減らしながら確かな成果へつなげていくSUNITEDのサポート体制について、ご案内します。

戦略の提案だけで終わらない!現場の泥臭い実務まで入り込む実行支援型コンサルティング

専門家に相談して立派な計画を立てても、実際にツールを動かせる人材が社内にいなければ計画は進みません。システムを定着させて売上へ直結させるには、計画を立てるだけでなく、日々の細かな作業を確実にこなす実行力が求められます。
ただアドバイスをして終わるのではなく、私たちが直接実務を動かしていく具体的なサポートの形をご紹介させてください。

MA担当者の孤独な奮闘を終わらせる『みんなのマーケ』

MAの運用担当に任命されると、日々の通常業務と並行して慣れないシステムの設定や他部署との調整を任され、負担が重くのしかかります。周囲に相談できる相手もおらず、一人で抱え込んでしまう状況は本当につらいはず。
SUNITEDが提供する『みんなのマーケ』や『みんなの情シス』は、外部からの単なるアドバイスで終わらせません。専門家チームが直接システムを触り、マーケティングの実務そのものを代行して担当者の肩の荷を下ろします。

人材採用の重圧から解放され、固定費を変動費へ変える

デジタルに強い優秀な人材を自社で採用して育てようとすると、高い給与や教育費といった固定費が経営を圧迫。さらに、せっかく育った担当者が退職してしまえば、社内で誰もツールを扱えなくなるリスクも残ります。
そこで、専門家の知見を必要な分だけ月額制で活用すれば、重い固定費を変動費へ切り替えられます。浮いた予算と時間を別の新しい施策へ回し、心にゆとりを持ちながら事業の成長を追いかける環境を整えていきましょう。

比較項目従来のITベンダーやBPO『SUNITED』の実行支援(BPaaS)
支援の範囲システム開発や一部業務の切り出しのみ戦略立案からシステム構築、日々の実務運用まで一気通貫
コスト構造導入時の高額な初期費用や専任人材の固定費サブスクリプション感覚で活用し固定費を変動費化
目的言われた通りの作業をこなすビジネスの成果(売上向上や業務改善)に直結させる
従来のアウトソーシングと実行支援の違い

実行支援型コンサルティング:戦略の提案や助言にとどまらず、実際の業務プロセスやシステム運用までを代行・伴走する支援スタイル。
固定費の変動費化:毎月発生する人件費などの固定支出を、必要な時に必要な分だけ外部サービスを利用する変動支出へ切り替える考え方。
BPaaS(Business Process as a Service):クラウド経由で業務プロセスそのものを外部へ委託し、テクノロジーと専門家のノウハウを組み合わせて事業を支援するサービス形態。

現場の運用から経営データの可視化まで伴走するワンストップの組織変革

部署ごとに別々のツールを導入した結果、顧客のデータが社内に散らばり、経営陣が正確な売上の見込みを把握できなくなる悩みは尽きません。
バラバラになった組織を一つにまとめ、会社全体で同じ目標に向かって進むためには、システムの設定以上に、人の心と業務を繋ぎ合わせる地道なサポートが必要です。

組織の分断を埋め、計画から運用・改善まで一つの窓口で支援

経営陣と現場、そして部門間の「分断」を埋める

会社が成長する過程で、多くの組織が「経営陣と現場の温度差」や「マーケティング部門と営業部門の対立」に直面します。
SUNITEDは長年培ってきた現場での経験を活かし、対立しがちな部署の間に立って双方が納得できるルールを整えます。実務メンバーが抱くツールへの不満を丁寧な対話で和らげながら、同時に経営陣が求めるデータの可視化を実現します。

計画の提案から日々の運用まで窓口を一つにまとめる

どんなに素晴らしい戦略を描いても、日々の入力作業や設定の変更が回らなければ成果は出ません。私たちは計画を提案して終わるのではなく、システムの構築から毎日の細かな運用、そして数字の改善まで、すべての工程を一つの窓口で引き受けます。

もし今のツールの運用が止まっていたり、現場の反発に悩んでいたりするなら、社内のしがらみを取り払い、事業の成長を一緒に追いかける仲間としてぜひご相談ください。

あなたの役割に合わせた解決策を

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